おおくぼ歯科クリニック歯周病治療
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歯周病とは
自覚症状がないままに進行するこわい病気
「歯周病や歯槽膿漏という言葉は聞いた事があるけど私はまだ大丈夫。」なんて思っていませんか?
歯周病(歯槽膿漏)は自覚症状がほとんどないままに進行してしまう、とてもこわい病気です。
- 歯磨きの時血がでる
- 口臭が気になる(家族に指摘された事がある)
- 硬い物が噛みにくい
- 歯茎が下がってきた、痩せてきた
このような症状がある場合は、歯周病が進行しているサインかも知れません。
自覚症状が無く進行する
歯周病とは、歯周病菌の細菌感染により歯茎が腫れたり、歯を支える骨が溶けたりする病気です。
最終的には歯が抜けてしまう(または抜かざるを得ない状態になる)こともあり、日本人が歯を失う最も大きな原因になっています。「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」とも言われるように、痛みなどの自覚症状が無く進行してしまうので、気付いたときにはかなり病気が進んでしまっていることもあります。
歯周病の症状
歯周病はその進行段階から「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。
歯肉に起こる炎症・歯肉炎
まず炎症が歯肉に限られているものを「歯肉炎」といいます。歯と歯の間の三角形の部分が赤くなり腫れてきます。この段階では痛みはほとんどありません。歯磨きの時に出血したり朝起きた時に口の中が粘ついたり口臭がすることもあります。ただ一過性で治まったり再び悪くなったりを繰り返すため、症状がなくなると治ったと油断し放置されることが多いのです。
あごの骨まで広がった炎症・歯周炎
歯肉炎が進行し歯を支えているあごの骨にまで炎症が広がった状態を「歯周炎」といいます。歯と歯茎の境目には溝(歯周ポケット)があります。健康な方であれば深さは0.5mm~2mmですが、その溝にプラークや歯石がたまり、プラーク中の歯周病菌が毒を出し炎症がどんどん広がります。それに伴い歯肉やあごの骨が破壊され、溝が深くなっていきます。歯肉はもちろんあごの骨まで破壊していくので、骨の病気とも言えます。壊された骨が再生することはありません。
進行すると歯がぐらぐらになります
初期の段階では気付きにくいのですが、炎症がさらに進行すると腫れたところから膿みが出たり、噛んだ時に違和感を感じたり歯が揺れてくるといった症状が見られるようになります。さらに進行すると歯を支えているあごの骨も破壊され、支えを失った歯はぐらぐらになってきます。
歯周病がもたらす全身の病気
お口や血管を経由し全身へ影響を及ぼす
歯周病はお口の中だけが悪くなる病気だと思っていませんか?実は、歯周病はお口や血管を経由することで全身の病気にも影響を及ぼす恐ろしい病気なのです。
近年では研究が進み、特に全身疾患の患者さんの歯周病治療をしっかり行うことで入院の日数が最小限に抑えられたり、その後の健康状態が快方に向かうということが当たり前となっており、医科と歯科の連携が行われているほどなのです。
糖尿病との関係
「糖尿病」は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが悪くなり、血糖値が異常に高くなる病気です。
長期化する歯周病は糖尿病の治療を妨げます
高血糖による血管障害は歯肉にも起こります。血流が悪くなり歯の周りの組織は酸素不足や栄養不足に陥るため、歯周病菌が繁殖しやすい環境になります。また糖尿病になると、全身の免疫力が低下し歯周病菌と十分に戦うことができません。さらに細菌の増殖を抑える作用を持つだ液の分泌が低下し、口が渇きやすくなることで、ますます歯周病菌が活発になってしまいます。
逆に歯周病により炎症が長期化すると、炎症の過程で作られる炎症性サイトカイン(サイトカインとは細胞から分泌されるたんぱく質で、身体の中の細胞同士が連絡をとりあう情報伝達の役目を持つ。炎症性サイトカインは、身体の中の炎症反応を促進する働きを持つ)が増え活性が増します。そしてそのサイトカインにはインスリンの働きを阻害する作用があるので、糖尿病の治療自体を妨げたり悪化させたりしてしまいます。
動脈硬化との関係
「動脈硬化」とは血管の内壁にコレステロール等が付着し、血管が硬く狭くなった状態を指します。
全身の血管へと広がり、動脈効果発症の引き金になります
進行すると血栓ができやすくなり、血管が詰まったり破れて出血するなどの危険性が高まります。心臓に酸素と栄養を供給している冠状動脈の動脈硬化が起こると狭心症や心筋梗塞に陥ります。動脈硬化を起こした血管壁から歯周病菌が発見されたという報告もあるほどです。歯周病菌が歯肉の血管を介して全身の血管へと広がり、動脈の血管壁に感染して炎症を引き起こし、動脈硬化の発症や悪化の引き金になっていると言われています。
心内膜炎との関係
心臓の内側を覆っている膜を「心内膜」といい、そこに細菌が感染して炎症を起こす病気です。 歯周病菌が血管の中に入り込み、免疫が下がっていると感染してしまい心内膜炎を起こすことがあります。
誤嚥性肺炎との関係
「誤嚥(ごえん)」とは高齢者によく起こる、飲食物や唾液を誤って食道ではなく気道に入ってしまう状態のことです。食べ物や飲み物が気管に入る際に口腔内の菌も入ってしまうことで、肺が菌に感染し肺炎を起こしてしまいます。
歯周病が妊婦に与える影響
早産や低体重児の危険性
妊娠中に歯周病にかかっていると、通常の出産に比べて早産や低体重児(2500g未満で生まれる)出産の危険性が約7倍になると言われています。歯周病の炎症の過程で、プロスタグランジンという子宮を収縮させる作用のある物質が作り出され早産になってしまったり、たとえ早産にならなくても子宮の収縮が頻繁に起こると、胎児は胎盤から十分に酸素や栄養がもらえず発育が妨げられるのです。
様々な治療でも炎症が治まらない場合は外科治療が必要になります
初診での検査結果をもとに、歯周病の状態を診断し治療計画を組みます。 進行度や治療法により治療にかかる期間は人によって異なります。まずは歯周病の原因菌の繁殖を抑え、細菌が住みにくい環境を作ります。そしてプラークコントロール。歯ブラシやフロスを使って自ら行ってもらうセルフ・プラークコントロールを徹底してもらいます。そして器械を使ってバイオフィルムや歯石等の除去も進めていきます。それでも炎症が治まらない場合は外科治療に進むこともあります。
歯周病の検査や治療について
- 検査・問診・・・食生活や生活習慣、喫煙など、歯周病との関わりについてお聞きします
- プラークコントロール・・・原因となっている歯周病菌、プラークを除去します。歯ブラシの正しい使い方や、あなたにあった清掃器具を選んだりします。術者磨き(プロが歯ブラシを使って磨くこと)や歯石の除去(歯茎の中までしっかり)をし、徹底的に菌を取り除きます。
- 再検査・・・歯茎の変化を見ます。健康な状態に近づいているか、歯磨は適切か、などこの段階で8割くらいの方の歯茎は改善されています
- 歯周外科レーザー治療・・・重度の歯周病に対しては外科的な治療が必要な場合もあります
- 再検査クリーニング・・・問題が解決されていれば定期検診へここからが予防のスタートです。
歯周病治療の流れ
歯周病治療は、病気の進行度により治療法が異なります。
軽度であれば簡単な治療で改善できますが、重度になればなるほど治療計画が複雑になってしまいます。小手術が必要になったり、歯と歯をつなげないとしっかり咬めなくなってしまうからです。その段階であっても、きちんと治療を受ける事により、再発を防ぐ事が重要です。
歯肉炎~軽度歯周炎
- 検査ー歯茎の検査、細菌検査(必要に応じて)
- 歯ブラシの適切な使い方、歯磨き指導、食事指導、生活指導
- 歯茎の上と、歯茎の中の歯石の除去
- 再評価(検査)
- メインテナンス
中等度歯周炎
- 検査ー歯茎の検査、細菌検査(必要に応じて)
- 歯ブラシの適切な使い方、歯磨き指導、食事指導、生活指導
- 歯茎の上と、歯茎の中の歯石の除去
- 再評価(検査)、治療方針のご相談
- 小手術(必要に応じて)
- 噛み合わせ治療(必要に応じて)
- 再評価(検査)
- メインテナンス
重度歯周炎
- 検査ー歯茎の検査、細菌検査(必要に応じて)
- 歯ブラシの適切な使い方、歯磨き指導、食事指導、生活指導
- 必要な歯牙の抜歯、仮歯、仮義歯の作製
- 歯茎の上と、歯茎の中の歯石の除去
- 再評価(検査)、治療方針のご相談
- 小手術(必要に応じて)
- 噛み合わせ治療、機能回復治療(きちんと咬めるようにするための治療)
- ブリッジやインプラントの治療
- 再評価(検査)
- メインテナンス
歯周外科手術
歯周病が進行すると、体の防御反応として骨が溶けてしまいます。歯に沿って骨が溶けてしまうと、歯ブラシが適切にあたらなくなり、汚れがたまってしまい、ますます歯周病が進行するという悪循環が起こるのです。ですから、歯周病菌を除去するだけでなく、歯ブラシのしやすい環境を作る事が歯周病を再発させないためには重要となります。
環境改善のための小手術には
- でこぼこした骨を削って平らにする切除療法
- でこぼこした骨を再生させて平らにする再生治療
大きく分けてこの2つがあります。
歯周再生治療
中等度から重度歯周病にかかってしまうと、歯を支えている骨が溶けてしまいます。また、歯茎が下がり、根っこの表面が露出してしまいます。そのような失った組織を蘇らせるのが再生治療です。
常に新しい専門知識・技術を持つ認定歯科衛生士
認定歯科衛生士の研修に力を入れております
歯周病学会の認定を得るべく、定期的に歯科衛生士の研修を行っております。
安心して患者さんの歯周病治療が受けていただけるように技術を向上させ歯周病についての正しい知識と正しい情報を提供できるように取り組んでおります。
歯周病についてさまざまな情報
歯周病は生活習慣やその人それぞれの食べ物やさまざまな口にするものの趣向性にも大きく影響します。日々の情報や診療からの気づきなど掲載しております。自覚症状のない歯周病への参考にしていただければと思います。