虫歯になった所を削ったら、銀歯やセラミックなど素材を詰めます。その時に歯と詰め物をくっつけるために「歯科用セメント」と呼ばれる接着剤を使用しています。
歯科材料の進歩=接着技術の進歩と呼ばれるほど、この「接着」がとても大切です。旧来の歯科治療では、「合着」という技法を使って詰め物や被せ物を歯に取り付けていましたが、現在は技術が進歩し「合着」から「接着」という技法が多く使われるようになりました。
そして、二次的な虫歯を防ぐためには、詰め物や被せ物を歯に取り付けるときに使用する材料が、その後の歯の寿命の明暗を分けるのです。
当院では詰め物・被せ物に使うものはもちろん、接着材においても患者様の症状やご希望などの状況に合う歯科材料を取り揃えております。
合着とは被着面の凹凸に材料が入り込んで固まり、脱離しなくなる機械的な原理。
接着とは被着材と接着剤の化学的な結合(分子的結合力)によって吸着する化学的な原理です。
少し難しい話になりますが、実は、保険で治療する金属は合着により歯にはまっているだけで、歯と一体化している訳ではありません。セメントが歯と金属の間を埋めて、その摩擦力ではまっているだけです。残念ですが、時間が経ってセメントが劣化し溶けてくると、隙間ができて金属がはがれてきます。
また、歯との隙間に徐々に細菌が浸入し、2次カリエスという、新たな虫歯になることがあります。なので、歯につめた金属は、平均約7年でダメになっているのです。
それに対し、セラミックはレジンセメントを介し、接着して歯と一体化するため、隙間から細菌が浸入することがありません。
このような歯との接合の仕方を金属は『合着』と言い、セラミックは『接着』と言います。
金属の『合着』には限界があり、虫歯の再発、金属アレルギーの発症など様々な不具合を引き起こしてしまいます。
確かに保険治療は、治療費を抑えることは出来ます。
しかし、保険通用となる銀歯での治療は、見た目だけでなく、アレルギーの問題、天然歯への影響、2次う蝕(むし歯)の発生など、長い目で見れば、治療費も決して安くはありません。
せっかく治療するのであるなら長持ちし、健康的でいられる治療をしなければいけないと思うのです。
セラミックは2次カリエスにもなりにくく、アレルギーも起きないので理想的な治療法と言えます。
今回は合着と接着の違いについてまとめました。是非参考にしてくださいね。