インプラント周囲炎とは、インプラントとそれを支える周囲の組織が細菌に感染し、起こる炎症をさします。快適にお口のなかで機能していたインプラントが合わなくなる最も大きな原因はこのインプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎の原因は、プラークや歯石の中に存在する細菌です。毎日のケアが不十分で、歯科医院による定期的なメインテナンスを受けていないことが続くと、歯垢(プラーク)がお口の中に溜まり歯周病原細菌が増殖し、インプラントを支える顎の骨に感染します。歯周病で歯を失ってしまった場合には、歯周病菌が存在し続けていますので、プラークコントロールが行われないと、新たに入れたインプラントも歯周病のような状態になってしまいます。
インプラント周囲炎は進行状態によって大きく2つに分けられます。初期段階では痛みなどの症状を自覚するのは非常に難しいため、気付いた頃には重症化しているケースも少なくありません。ある程度進行しても天然歯のようにグラグラしてくることはありません。初期段階での発見が困難な分、歯科で行う定期的メンテナンスできちんと医師の診断を受けることが大切です。
インプラント周囲粘膜炎…インプラントとその周囲の粘膜にのみ起こる炎症
インプラント周囲炎…さらに進行して、インプラントを支える顎の骨にまで炎症が達したもの(軽度、中等度、重度)
インプラント周囲炎は、歯周病を起こす歯周病原菌によって起こります。原因菌が同じである以上、その予防は、その病原菌をなくすこと、残った歯の歯周病に対するケアを徹底することにあります。インプラント周囲炎の予防には、2つの方法があります。
1. インプラント治療は歯周病治療を完了させてから行う
2. インプラント治療後も定期的に歯周病を管理する
当院ではインプラントに問題(違和感、脱落、ぐらぐらする、見栄えが悪いなど)を抱えた患者様が数多く相談にいらっしゃいます。他院で治療された方や、患者様の転居や医院の転移・閉院でメインテナンスが行えなくなった場合にも対応しています。このようなお悩みがある方はまず当院までご相談ください。
どのようなインプラントでも正しく口の中で機能しているならば活かし、どうしても必要な場合は抜本的なやり直しを行います。現在のお口の状態から最も安全と思われる方法で、可能な限りの治療を行っていく考えです。
なにかご心配な事がございましたらいつでもいらしてください