歯周病予防について
ブラッシングの重要性
歯周病は歯垢の中に潜む歯周病菌が原因で起こる歯茎の感染症です。歯周病を予防、また、治療を成功させるためには、原因である歯垢を徹底的に除去し、歯周病になりにくいお口の環境をつくることが大切です。治療をおこなっても、患者さんご自身による適切なブラッシングができていなければ、数時間後には歯垢はすぐに形成されていきます。歯周病にならないためには、細菌の侵入口となる歯と歯茎の境目(歯頸部)をきれいにする必要があります。
歯周ポケットの中に溜まった歯垢や歯石に関しては、歯ブラシだけでは届かないので、歯科医院で専用の機器を使い歯周病治療に移ります。歯科医院での歯周病治療の中心となるのは、歯茎から下(歯肉縁下)の歯垢・歯石を除去することです。一方で、歯茎から上(歯肉縁上)の歯垢は患者様の毎日のブラッシングによって、徹底的に取り除いていただく必要があります。
歯周病は原因を除去さえすれば「治る病気」です。原因となる歯垢をきちんと除去することが何より重要で、歯科医院による一方通行の治療だけでは歯周病を完治させるのは困難です。ブラッシングは、患者様ご自身でできる唯一の「治療」であり、再発防止につながるためにできる唯一の「予防」です。
プラークコントロールレコード(PCR)について
歯垢は歯と似た色をしていて、ブラッシングをしても残っているか確認することは難しいものです。そこで歯垢だけを赤く染める薬剤でお口の中を染色します。どの部分に歯垢が残っているのか口腔内の清掃状態を数値化したものがPCRです。PCRが20%以下になった時点で「ご自身によるブラッシングは大丈夫」ということが言えます。このようにPCRを表とパーセンテージで知る事で、客観的にプラークコントロールの程度を知る事ができます。歯周病の予防と改善には、プラークコントロールの徹底が不可欠です。当院のメインテナンスでは毎回このPCRを行い、歯科衛生士が「どこが磨けていないか」「どの器具をどのように使えばよいか」といった改善指導を行います。
ブラッシングに個々の癖
ブラッシングには個人個人で“磨き癖”があります。毎日おこなっているものなので、習慣からくるものもありますし、歯並びによる影響も考えられます。
自己流のブラッシングでは、プラークコントロールレコードを20%以下にすることはなかなか難しいものです。歯周病や虫歯を予防・治療するためにも、歯科医院で適切なブラッシング法の指導をお受けいただく必要があります。
ブラッシングのご指導
おおくぼ歯科クリニックでは、治療をお受けいただくすべての患者様にブラッシングのご指導をさせていただいております。お一人おひとりのお口の状態に合わせた丁寧なご指導を心掛けています。また、ご指導後しばらくしてチェックさせていただくと、元のご自身の磨き癖に戻ってしまわれる方もいらっしゃいますので、1年に何回かはチェックをさせていただきたいと思います。