新たな生活様式が定着する中での問題
コロナフレイルとは
新型コロナウイルス感染が広がる中、不要不急の外出を避けること、三密(密閉、密集、密接)回避、手洗い励行、マスク着用、人との距離の確保、在宅勤務の推進など、COVID-19と共存しながら生活する「新たな生活様式」(New Normal with Corona)が定着してきました。
高齢者の場合、感染すると重篤化し、死亡率が非常に高い、と繰り返し報道され、多くの高齢者は我慢を強いられています。今まで楽しんできた近所の方との交流、カラオケ、またはデイサービス(通所介護)など一切を諦め、ひたすら自宅に籠っている方も少なくありません。しかしこういった過度の行動自粛によって、高齢者の体力と気力が低下し、一気に老化が進む人が急増していることが、最近注目され始めています。この状態を「コロナフレイル」といいます。
フレイル対策!!筋肉を減らさない、毎日の健康は食事から
新型コロナウィルス感染症は、高齢者においては感染の危険性だけではなく、家に閉じこもることによる健康への悪影響が懸念されています。
なかでも、動かないこと(生活不活発)で、フレイル(虚弱)が進みます。 たとえば、高齢者が2週間の寝たきりになると、失う筋肉量は、加齢による7年間で失う量に匹敵するといわれています。コロナ禍で外出を控えることは、歩行機会が失われ、筋肉の量や質の低下を招く大きな原因となります。
食事は筋肉のもととなるタンパク質を中心に、さまざまな栄養素をバランス良く摂り、筋肉を減らさないように心がけましょう。
フレイルにならない、フレイルを加速させない、3つのポイント
新型コロナウィルス感染症の予防を行いながら、フレイルに注意しつつ、健康の維持に努めるためには、
- 「栄養」
- 「運動」
- 「人とのつながり」
の3つのポイントが重要となります。
外出の際には、マスクの着用・人混みを避ける・帰宅後は手洗いをすぐに行うなどの感染予防対策を行ったうえで、次のことを実践しましょう。
1 栄養
食事は栄養バランスの良い、十分なエネルギーのあるものを摂りましょう。
とくに筋肉をつくるタンパク質が多く含まれる食材や、筋肉の増強をサポートするビタミンDを多く含んだ食材を積極的に食べることです。タンパク質は成人男性の方で、1日に65gが推奨量とされますが、高齢になると、筋肉になりにくくなるため、より多く摂ることを意識しましょう。またビタミンDは、きのこ類、魚介類、卵に多く含まれます。
食事後の歯磨きは、口を清潔に保ち、風邪やインフルエンザ対策になるだけでなく、オーラルフレイルの予防に欠かせません。
2 運動
天気の良い日には、人との距離をしっかりとった上で、ウォーキングなどの運動がおすすめです。筋肉や骨の維持、形成に欠かせないビタミンDは、日の光を浴びることでつくりだされます。
また歩くことは気分転換にもなり、血流の循環を良くし自己免疫力を活性化してくれます。 30分から1時間程度の軽い散歩を日常的に心掛け、家の中でもできる範囲で身体を動かしましょう。椅子やテーブルに手をかけても構わないのでスクワットや片足立ち、足踏みなど、自分の身体の状態や体調に合わせて安全に行いましょう。
3 人とのつながり
人とのつながりが希薄になると、認知機能が著しく低下するおそれがあります。
外出しにくい今の状況こそ、友人や家族と意識して、連絡を取り合いましょう。 ちょっとした挨拶や会話も大切、電話やオンラインを活用して、とにかくしゃべることを意識してください。
人とのつながりは、さまざまな不安やストレスを軽減し、安心して暮らすための重要なポイントです。