京都市左京区のおおくぼ歯科クリニック院長の大久保恵子です
7月は学会がとても多い月で、どこかしらで何かしらの学会が模様されています。
私の所属するOJ(インプラントのスタディークラブ) の学会があり、7月20日、21日の2日間参加してまいりました!
今回は「生理的変化がインプラント補綴に与える影響」ということで、顎顔面の持続的成長や顎関節の変化とインプラント補綴(被せ物)との関係についてが大きなトピックとなりました。これについて最初に提唱されたDr Daftaryを招いてのシンポジウムも開催されました。
このOJというスタディークラブは全国500名の会員が所属していますが、入会に際し、インプラントケースのプレゼンテーションによる審査があるのが特徴です。
つまり、新入会講演を会員の歯科医師の前で行い、合格しないと入会の資格さえ与えられないという厳しい会でもあります。
ですので、そのレベルは非常に高く、間違いなく日本のインプラント界を牽引していっている会でもありまし、OJの正会員ということは、インプラント治療をする者の大きな誇りでもあります。
私も2013年、新入会発表をさせていただき、無事合格いたしました。しかもその際、最優秀賞をいただき、アメリカロサンゼルスのOSCSC というアメリカでも最高峰のインプラントスタディークラブで講演をさせて頂けたことは私の一生の宝ものです。
今回のもう一つのトピックとして、「ライフステージを考慮したインプラント治療」という演題での発表がいくつかありました。
インプラントは、ガイドラインに従い行えば、非常に成功率の高い治療です。その分、お口の中のインプラントが長期に機能し得るため、自分で手入れができなくなった時の対応に現在注目が集まっています。しかしながら、義歯タイプに改造するなど、比較的簡単に手入れのしやすい方法に改善できるのもインプラントの特徴でもありますので、訪問診療医などとの連携を取りながら、介護者が安心して、患者も最後まで口から食事をできる形に変えていくことが重要です。
インプラントが臨床応用されてから約100年、日本でインプラントが普及してから約30年と言ったところでしょうか。インプラント治療を受けられた患者さん達の高齢化により、患者さんのライフステージに合わせたインプラントの管理が益々ディスカッションされていくことと思います。年齢に合わせた口腔ケアと、高齢者においては口腔管理のしやすい装置が求められる時代だと感じました。