当院の検査とデータ
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当院で行う検査について
おおくぼ歯科クリニックでは、患者さん一人ひとりが
「生涯自分の健康な歯で食事できること」
を最大の目標としています。
治療の前に原因やリスクを正確に判断することが大切
私たちは予防歯科の考えをベースに、精密な資料採取のもと最良の歯科治療を提供したいと考えております。歯は一度でも削ったら元の状態に戻ることは決してありません。ですから原因を調べもせずにいきなり歯を治療したりせず、まずはお口の中がどういった状態なのか把握し、歯周病や虫歯の原因やリスクを正確に診断することが大切なのです。
そのため、唾液検査やカラー写真撮影・レントゲン撮影・歯周基本検査・歯の染め出しなど、まずは必要な検査や問診・食生活の聞き取りなどをし、現状の把握や診断をいたします。またご相談の時間をしっかり設け、患者さん自身にご自分のお口の中を知っていただきます。さらに、将来のリスクをふまえた治療計画をご提案・ご相談します。
唾液検査(カリエスリスク検査)
予防プログラムには欠かせない検査
患者さん1人1人の虫歯のリスク(どのくらい虫歯になりやすいか)を調べるテストです。ガムを噛んでいただき、出てきた唾液の量をはかったり、試験紙を使用して中和能力(お口の中を酸性から中性に戻す力)がどのくらいあるかをテストします。また唾液に含まれる虫歯菌の量を調べることができるため、予防プログラムをご提案するためには欠かせない検査です。
検査の流れ
- パラフィンワックスのガムを1分間噛んでいただきます。
- 舌の表面に試験シートを当て、唾液中の細菌を採取します。
- フロスなどで歯の隙間に付着したプラークを採取します。
- 2と3のサンプルを試験管に入れ、定温器で48時間保管します。
- 引き続きガムを5分間噛んでいただき、溜まった唾液をその都度カップに吐き出していただきます。
- 5分後に溜まっている唾液を全てカップに吐き出していただき、量を測定します。
- スポイトで6の唾液を取り、試験用ストリップに乗せ、唾液の中和能力を調べます。
- 培養体に残りの唾液をかけ、別の試験管に入れて、定温器で96時間保管します。
- 4と8の試験管を保管後モデルチャートと比較し、それぞれの細菌の量を測定します。
検査前の注意事項について
次の場合には唾液分泌の変化などによって、正しい検査結果が出ないことがありますので、検査前にはご注意いただくようご協力をお願いしております。
- 検査前1時間以内にご飲食・歯みがき・喫煙をした場合
- 検査の直前に激しい運動をした場合
- 検査前5~6時間以内に、殺菌作用のある成分やキシリトールを含む歯磨き粉や洗口剤等を使用した場合
- 検査前1ヶ月以内に、常用薬以外の抗生剤を服用した場合
- 唾液中に潜血が含まれている場合
- 口紅・リップクリームなどをつけている場合
カリオグラム
予防先進国スウェーデンで開発された患者さん向け教育プログラム
「カリオグラム」とは、様々な原因によりつくられる虫歯についてよりよく理解するために、予防先進国スウェーデンで開発された患者さん向け教育プログラムです。
「う蝕(虫歯)」に関する原因の相互関係を円グラフで表して視覚化しており、今まで虫歯になった歯の本数、全身の疾患、お食事の内容、お食事の頻度や飲食の回数、ミュータンス菌の数、フッ化物の使用状況、唾液がどのくらい出るか、酸性にかたむいたお口の中を中性に戻す力が唾液にどれだけあるか、原因となる様々な条件を調べ入力することでわかります。「う蝕」という多因子性疾患について説明や理解がしやすく、またカリエスリスク(その人がどのくらい虫歯になりやすいかの危険度)を評価する際の指標となるよう開発されました。
視覚的に理解できる
例えば「飲食の回数を改善した場合、どれだけ予防の効果があるのか」というようなシミュレーションが可能となり、一人ひとりの予防プログラムを考える際に数値によって最適な提案をすることができます。また患者さんがご自身のリスクを視覚的に理解できることで、原因となる行動を自らセーブしたり予防の取組みに対しても積極的に行動することができます。
できてしまった虫歯から反省するのは当たり前。カリオグラムは、これから新しく虫歯ができる前に予防の対策を立てるための、非常に優秀なプログラムなのです。
OHIS
「歯周病のリスク評価」を行なうソフトウェア
「OHIS」とは、Oral Health Information Suiteの略で、アメリカの歯周病専門医グループとPreViser社が10年もの歳月をかけて開発したもので、「歯周病のリスク評価」を行なうソフトウェアです。
「隠れリスク」を早期に把握でき、適切な診断や対策をすることができる
唾液検査のように新たに検査をする必要はなく、当院で通常行なっている基本的な検査のデータを入力することで、患者さんの歯周病のリスクを過去・現在・未来に分類し数値化することができます。また、見た目の情報だけでは分からないリスク(その人がどのくらい歯周病になりやすいかの危険度)が数値やグラフで表示されるため、専門家でも難しい「隠れリスク」を早期に把握することができ、適切な診断や対策をすることができます。
カリオグラムと同様、患者さんご自身が視覚的に健康状態やリスクを捉えることができるため、治療の必要性をひと目でご理解いただきやすく、現在だけでなく将来の自分の姿を客観的に考えることができるツールなのです。